開催日 | 2023年1月13日(金) |
---|---|
開催時間 | 14:00~16:00 |
場所 | 大和ハウスグループ みらい価値共創センター + オンライン |
参加費 | 無料 |
募集人数 | 会場参加者20名、オンライン視聴者100名(いずれも先着順) |
募集対象者 | ・職場や工場にて高齢者の作業管理・健康管理を担当されている方 ・健康・医療・介護等の技術やサービスを提供する企業や研究機関 の方 ・ロボティクスやAgetechなどの技術で社会課題を解決したいとお 考えの方 ・健康経営の取り組みをされている企業等のご担当者 ・健康経営に活用を検討したい技術、商品、サービスをお持ちの方 ・効果・測定に係る評価・指標等の研究・解析・システム等の関連 業界の方 ・みらい価値共創センターの活動にご興味をお持ちの方 |
主催 | 大和ハウスグループ みらい価値共創センター |
開催協力 | 事務局 株式会社新産業文化創出研究所(ICIC) |
第5回 機能老化の克服社会共創研究会セミナー
BMI(ブレイン・マシン・インターフェース)とストリートメディカルの世界を覗いてみよう
ヒトは加齢に伴い、その身体機能(認知機能や感覚機能等)が衰えてきます。一方で、超高齢社会においては、元気な高齢者の社会参画や労働力としての期待は益々高まっています。本研究会では、ヒトの身体機能の老化に伴う衰えの改善・克服に焦点をあて、共創活動を推進します。
今回は、機能再建医療として期待が高まるブレイン・マシン・インターフェース(BMI。脳信号を解読することにより、考えただけで機器の操作を可能にする技術)についての現在地点や可能性、また、医療の力だけではなく、日々の生活や地域社会の中で健康を保つための環境設計・学術体系の構築に取り組む「ストリートメディカル(※)」の取組についてご紹介します。
※ストリートメディカルは、横浜市立大学の登録商標(登録商標第6190881号)です。
プログラム
14:00~16:00 ※オンライン配信あり
13:30 : 会場 受付開始(施設見学ツアー不参加の方)
13:45 : Zoomウェビナー 入室開始
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)開会あいさつ
大和ハウスグループ みらい価値共創センター長 理事 池端 正一 氏
(2)これまでの研究会のまとめ
本研究会コーディネーター 卯津羅 泰生 氏
実証と事業化のデザインハウス 代表
<共創の視点>
今回は、機能老化の克服社会共創研究会の最終回ということで、少々難しい内容となりますが
お付き合い下さい。
1つ目は、BMI(Brain Machine Interface)をテーマにしています。最先端で少々難しい内
容をわかりやすくお話しをしていただきます。脳の分野は最先端の分野でもあり、まずは、ど
のように今後技術が発展していくのかを知る、学ぶきっかけとなればと思っています。
もう1つは「Street Medical」です。 こちらも聞いたことがある人は少ないと思いますが、
注目のヘルスケアコンセプトです。まちづくりとヘルスケアを融合させたモデルの例でもある
ので、この辺りでビジネスモデルをお考えの方々には興味深い内容となると思っております。
どちらも先端のユニークな研究領域ではありますが、これを機会にこれまでに無かったヘルス
ケア分野における共創モデルを作るヒントやきっかけになれば幸いです。ぜひ、ご参加下さい
ませ。
(3)講演
①人工知能と体内植込みで挑む重症機能障害の機能再建:ブレインマシンインターフェース
平田 雅之 氏
大阪大学大学院 医学系研究科 脳機能診断再建学 特任教授
<講演概要>
ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)とは、 脳信号を解読することにより、考えただ
けで、機器の操作を可能にする技術であり、重症機能障害に対する機能再建医療として期待さ
れています。 植込み型BMIは手術を必要としますが、高い機能が得られるため、実現性が高い
技術として期待されています。
植込み型BMIで基幹となる技術は、人工知能を用いた脳信号解読と 脳信号を計測する植込み装
置の二つです。脳信号解読に関しては、脳研究の成果にもとづいて、ロボットアームの3次元
制御技術が2000年代後半に確立され、最近では会話の発語内容の解読や、書字内容の解読が可
能となりつつあります。 植込み装置は長い年月と開発費を要し、いまだBMI用植込み装置の臨
床試験を完了した機関はありません。
我々は、脳信号解読だけでなく、植込み装置の開発にも重点をおき、15年にわたり植込み型BMI
の実用化開発を推進してきました。 現在、BMI用植込み装置の検証治験を開始すべく、準備を
進めています。
今後、鍵となるのは植込み装置の実用化であり、これが脳信号ビッグデータ取得を可能にして、
一つの転換点となって、脳機能の解明がさらに進み、脳信号解読の技術が爆発的に進展し、BMI
の性能が飛躍的に向上していくと思われます。
②Street Medical 〜日々の暮らしの中で健康になる〜
西井 正造 氏
横浜市立大学 先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター 助教
<講演概要>
2018年に設立された横浜市立大学先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・
センター(YCU-CDC)では、取り組む研究領域を名辞するために「ストリート・メディカル
(Street Medical)®」という新概念を提唱している。医療の対象を「患者」から「生活者」へ、
医療の現場を「病院」から「街の中などの生活の場」へ拡張し、生活者の嗜好性の高い資材、例
えばゲームやスマートフォン、家具、日用雑貨、衣服・アクセサリー、住居、都市空間などを医
療ツールに仕立て上げることで、医学や医療をもっと身近で生活に根差すものにしていきたいと
考えている。本講演では、これまでの実践例を紹介しながら、 Street Medicalの理論的背景も
共有することで、まちづくりとの接着可能性について議論したい。
(4)質疑応答・総括
平田 雅之 氏、西井 正造 氏、卯津羅 泰生 氏
※会場参加者についてはセミナー終了後、講師や参加者同士の簡単な交流を予定しています。
コーディネーター プロフィール
◆実証と事業化のデザインハウス 代表 卯津羅 泰生 氏
多摩大学 医療・介護ソリューション研究所 フェロー
公益社団法人大阪介護老人保健施設協会 事業推進アドバイザー
元 神戸大学大学院医学研究科 AI・デジタルヘルス科学分野 特命准教授
元 理化学研究所 神戸リサーチコンプレックス 連携コーディネーター
元 淀川キリスト教病院 企画課
民間シンクタンク、市場調査会社等において、一貫してヘルスケア分野における技術調査、マーケティングリサーチ、新規事業開発、産学連携等に従事。また、大手家電メーカーにてヘルスケア新事業創出プロジェクト、事業アライアンス等を企画推進。その後、病院における医療保険外新規事業企画・事業創出プロジェクト等を経て、理化学研究所・神戸リサーチコンプレックス(JST事業)にて産学連携コーディネーター業務に従事。現在、神戸大学大学院医学研究科 AI・デジタルヘルス科学分野 特命准教授。ヘルスケア分野における地域フィールド実証モデルの構築研究、ヘルスケア型リビングラボモデルの構築・実践に取り組んでいる。
講師 プロフィール
◆大阪大学大学院医学系研究科 脳機能診断再建学共同研究講座 兼任 大阪大学国際医工情報センター臨床神経医工学 教授 平田 雅之 氏
昭和62年に東京大学大学院工学系研究科修士課程を修了。自動車会社にて自動車の開発に従事したのち大阪大学医学部に学士入学。平成6年に卒業後は脳神経外科、特にてんかんなどの機能系疾患の外科治療を専門として臨床と研究に取り組んできた。工学部でのロボット研究や企業での市販車開発で得た経験を活かし、医工融合分野、特にBMIの研究に力を入れている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
◆横浜市立大学 先端医科学研究センター コミュニケーション・デザイン・センター助教 西井 正造 氏
教育学研究をバックボーンにしながら高等教育研究に携わり、教員養成に従事。2006年に横浜市立大学医学部特任助手として医学生と看護学生がチームを組み、地域の小中学生に向けて「訪問授業」「キャンプ」を企画実行する取組「文部科学省現代GP「学生が創る地域の子ども健康プロジェクト」の推進者として教育実践・研究に携わる。
その後、横浜市立大学にて、横浜国立大学との共同事業である文部科学省グローバルCOEプログラム「情報通信による医工融合イノベーション創生」が開始されたことを受け、特任助教として採用。博士課程学生の医工融合研究推進のためのカリキュラム開発や教材開発を実施。そののち、公益財団法人木原記念横浜生命科学振興財団にて横浜・神奈川エリアのライフサイエンス関連産学連携組成・運営業務を経て、2018年、横浜市立大学コミュニケーション・デザイン・センター設立に伴い助教として就任。ストリート・メディカルの教育・研究を推進中である。
お申込み
●「オンライン参加」の申込フォームはこちら
●「会場参加」の申込フォームはこちら
場所:大和ハウスグループ みらい価値共創センター(奈良県奈良市西九条町4丁目1-1)
アクセス:https://www.daiwahouse.co.jp/kotokurie/access/index.html