第1回コトクリエ・共創フォーラム「森林・木材に秘めたみらい価値」

プログラム

1.みらい価値共創フォーラムと本日のテーマ概要について
 株式会社新産業文化創出研究所 所長 廣常 啓一

2.パネラー発表
・ファシリテータ:株式会社新産業文化創出研究所 所長 廣常 啓一
 ■「何故、木材利用なのか」
   奈良県水循環・森林・景観環境部 次長 大谷 義博 氏
<概要>
2015年国連サミットで採択された持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)や、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)で採択されたパリ協定において、気候変動対策を具体的に推進することが求められています。また、2020年、菅元内閣総理大臣が「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」を宣言しました。これは、2050年までに、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを目指すもので、「適切な森林経営」による森林吸収源の維持・増大が必要です。しかしながら、ただ森林保全をするだけでは、「適切な森林経営」にはなりません。
何故、木材利用が脱炭素社会に寄与するのか、解説いたします。

 ■「NEXT500 川上村の吉野林業を次の500年へ 吉野かわかみ社中の取り組み」
   一般社団法人 吉野かわかみ社中 部長  高橋 一禎 氏
<概要>
500年もの歴史を誇る吉野林業の特徴や、その発祥の地である奈良県吉野郡川上村についてご紹介させて頂くとともに、吉野林業を次の500年に守り繋いでいく「吉野かわかみ社中」の挑戦について語ります。
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吉野林業の始まりは、今から約500年前。文献でも室町時代文亀年間に、川上村で最初の植林が行われたとされています。吉野式造林法といわれる独自の育林方法も、川上村を中心に隣接する東吉野村、黒滝村の3村という限られたエリアで行われてきました。
吉野林業最盛期には、川上村には8,000~9,000人の人々が暮らし、その多くが林業に従事されていたようです。しかし現在、全国的な林業の低迷とともに、林業従事者は激減し村の人口も1,300人を切って過疎化が進んでいます。
決して大きなことは言えませんが、吉野林業再生を目指す中で、雇用を生み出す仕事作りもひとつの使命であり、自然豊かな川上村の風景も未来に繋げていかなければなりません。

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 ■環境省「ESG地域金融促進事業」に対する取り組みについて
 ~良質な森林資源“吉野材”を活用した新たな居住様式の創造による地方創生奈良モデルの確立~ 
   奈良中央信金 地域産業創生部 部長   山田 章生 氏
<概要>
ESG地域金融とは、地方銀行や信用金庫と言った地域金融機関によるESG要素(環境・社会・企業統治)を考慮した事業性評価と、それに基づく融資・本業支援等の実践により地域経済の持続的成長を促す取組みです。
令和2年度に環境省より採択を受けたESG地域金融促進事業「良質な森林資源“吉野材”を活用した新たな居住様式の創造による地方創生奈良モデルの確立」に対する取組みについて、地域課題の把握、地域資源の抽出、吉野林業から地域住民に繋がるサプライチェーンの再構築、ESG住宅と定義する新たな居住様式の創造、地域のステークスホルダーによるパートナーシップの必要性と、フェーズを追って説明します。

 ■「コトクリエでの木材新素材から街中の森の会所に込めた想い」
   大和ハウス工業株式会社 理事 みらい価値共創センター長 池端 正一
<概要>
みらい価値共創センターの設計コンセプトでもある「森の会所」では、太陽のホールを中心に多くの奈良県産木材を使用しており、ランドスケープは100年の森を目指して様々な草木類を植えています。木材利用に重要な「自然保護」「資源保護」「建材保護」です。
木材活用を促進するには、自然を保護により豊かな森林を形成し、良質な木材が育つように林業を整備し、丸太から製材加工更には再利用までの循環型の建材活用です。当然のことながら、今回の提案は皆様の木材への関心と、SDGsと次の目標に向けての契機になれば幸いです。

3.ディスカッションと総括

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発表者プロフィール

◆奈良県水循環・森林・景観環境部 次長 大谷 義博 (おおたに よしひろ)氏

1963年京都府生まれ
昭和61年京都府立大学農学部林学科卒業後、奈良県庁に入庁
平成30年森林整備課長
令和元年林業振興課長
令和3年より水循環・森林・景観環境部次長

◆一般社団法人 吉野かわかみ社中 部長 高橋 一禎(たかはし かずよし) 氏

大学卒業後、軽量鉄骨造大手ハウスメーカーに入社。
阪神大震災後の復興中であった、神戸エリアにて営業を学ぶ。
その後、本物の建築に、より興味を持ち、奈良県の木造在来工法の地場工務店に転職。
構造材から内装材まで、吉野杉を使った家づくりを行っており、取引先であった『川上さぷり』や『川上村』と出会う。そして、『吉野林業の歴史』や『吉野材のすばらしさ』も深く知ることとなる。10数年のお付き合いを続ける中で、『吉野かわかみ社中』の設立を知り、営業人生の集大成として、『川上村』や『川上村』、そして『吉野林業』に恩返しがしたいと、『吉野かわかみ社中』へ転職し、現在に至る。

◆奈良中央信用金庫 地域産業創生部 部長 山田 章生 氏
奈良県出身、「常に地元の皆さまと共に、地元の発展に貢献する」を経営理念とする協同組織の地域金融機関である奈良中央信用金庫において、長年に亘り地元中小企業者への支援業務に従事している。また地方創生担当者として産学官金連携した地域の活性化に幅広く取り組んでいる。中小企業診断士、一級ファイナンシャルプランニング技能士

◆大和ハウス工業株式会社 理事 みらい価値共創センター長  池端 正一(いけはた しょういち)


1958年 鹿児島県生まれ
職歴:
1976.4 大和ハウス工業株式会社 入社 福岡工場 住宅生産管理課
1989.5 札幌工場・九州工場 住宅生産管理課 課長
2003.4 本社 住宅商品開発部 次長・生産部品設計グループ長
2012.8 本社 総合技術研究所 副所長 フロンティア技術研究室 室長
2019.4 本社 人財・組織開発部 副理事 新研修センター開設運営室長
2020.10 現職 人財・組織開発部 理事  みらい価値共創センター長

問い合わせ先

〒101-0021 奈良市西九条町4丁目1-1 みらい価値共創センター内(株)新産業文化創出研究所(本フォーラム業務委託先) 担当:奥田、青山
 Email:kotokurie_forum@daiwahouse.jp

今後のコトクリエ共創フォーラムの予定

第2回 コトクリエ・共創フォーラム「生物多様性と生態系によるまちづくり」
日  時:11月19日(金)14:00~16:00
開催場所:Zoom Webinar
◆詳細 ⇒ https://icic.jp/seminar/event12818/

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(仮称)森林・木材みらい価値共創研究会について

日本は、世界第3位の森林率を誇り、主伐期である50年生を超える人工林が増えているにも関わらず、その資源を活かしきれずにいます。世界においては、SDGsやESGの文脈において森林に注目が集まる中、日本においても林業のエコシステムの構築、様々な森林の活用を考えていくことが求められています。まずは奈良県の現状を知ることから始めて様々な木材の活用について学びます。

(1)「森林・木材みらい価値共創研究会」
森林環境や林業の課題、中間山地域などの地域課題、都市生活者と地方の森林地域の交流などを多様な業種やセクターが共創することで持続的なビジネスや関連技術、それを支える金融や市場、市民共創に結び付くくライフスタイルなどを共に考え、共に創出することを目的としています。

■勉強会セミナー
森林・木材を取り巻く様々な課題や可能性、課題解決や事業化のための技術や国内外事例などをシリーズで行って参ります。今後、参加メンバー、また支援いただくサポーターも募集致します。
参加は無料です。

■共創推進活動
勉強会セミナーなどで取り上げた多様なテーマから参加者の関心の高いテーマやプロジェクトを選び、その実現のための調査研究、共創のための参加各社の持つ技術や事業、取り組みなどの発表や試行的取り組み、マッチングなどを行います。取り組むテーマや事業などの詳細は、後日、発表致します。 参加は無料です。

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みらい価値共創センターについて

2021年10月、奈良市西九条町に新しくオープンした「大和ハウスグループみらい価値共創センター」では、社会に求められる新たな価値を創出するため、多くの方々に喜んでいただける事業価値を創出するための社員教育をはじめ、異業種企業や研究機関との研究会による社会課題解決への取り組み、地域の子どもたちを中心とした未来を創る学習プログラムなどの探究学習を展開します。

みらい価値共創センター「コトクリエ」の「共育活動」「共創活動」
みらい価値共創センターは、暮らしや地域、社会や地球に良い影響を与え、現状課題や将来起こりうる課題を解決することができる人財や技術・製品、事業や活動主体、またライフスタイルを形成するための活動拠点(プラットフォーム)です。ここでは、産官学民など異分野の多様な主体やセクターがソーシャルグッド(Social Good)の実現を目指し、共に学ぶ「共育活動」、共に創る「共創活動」の様々なテーマの研究会やカリキュラム、支援策が繰り広げられる予定です。

コトクリエ共創フォーラムとは
・コトクリエの取り組むコンセプトテーマの提言、話題提供、情報発信、成果発表的なイベントで月1回程度開催するブランディング企画。
・コトクリエのみらい価値共創の目的である「人の価値」「経済社会的価値」「地球環境価値」の観点で各回テーマを決めるものや多様な業種や主体、セクター、異分野テーマの組合せなど幅広い構成による内容で開催する。
・コトクリエの様々な取り組みとして「共育活動」や「共創活動」に結び付く提案型や参加者のニーズの確認(アンケート等)により、共育や共創(研究会)のテーマを産み出す基本的なフォーラム。コンセプトを共有するコトクリエ以外の団体などの共催も含む。
・各研究会などの広報活動(参加案内)や研究会活動の成果報告のためにも開催する。

みらい価値共創センターWEBサイト:https://www.daiwahouse.co.jp/kotokurie/

本フォーラムへの申し込みにあたりお預かりした個人情報につきましては、今後、新産業文化創出研究所と大和ハウス工業株式会社にて適正に管理し、今後大和ハウスグループみらい価値センターが主催するフォーラム、プログラム、研究会等のご案内で使用させていただきます。