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【クールジャパン(5)】現代クールジャパンの原型となる江戸時代のポップカルチャー漫画(黄表紙)から見た先端メディア産業、コンテンツクリエイティブ産業構造

第5回クールジャパン・イノベーション研究会/歴史研究のビジネス活用及び先端科学技術による解明研究会、マンガ・イノベーションcafe、共同開催

 

開催の内容

【概要】
第1部 17時30分~19時15分 (受付17時からゆる~く飲みだします)
テーマ : 「現代クールジャパンの原型となる江戸時代のポップカルチャー漫画(黄表紙)から見た先端メディア産業、コンテンツクリエイティブ産業構造」  ~江戸時代の漫画(黄表紙)を題材に時代を読む~

講 師 : 棚橋正博 氏 早稲田大学大学院講師 文学博士
ファシリテーター:廣常 啓一  新産業文化創出研究所 所長

第2部 19時30分~21時 
テーマ:「マンガと場」

■前半:ゲストスピーカーによるプレゼンテーション

■中盤:トークセッション1【新しいリアルスペースの可能性】

■後半:トークセッション2 【リアルとネットの融合】
ゲストスピーカー:嶋田洋平 氏(株式会社らいおん建築事務所 代表取締役)
           武田俊 氏(合同会社カイユウ 代表)
            巴山将来 氏(a.k.a.ハヤマックス/マックスパワー)

ファシリテーター/ボードメンバー:山内康裕 氏(マンガナイト/レインボーバード合同会社代表社員)
ボードメンバー:芹田治 氏(エコーズ株式会社 代表取締役社長)
           水野祐 氏(弁護士 シティライツ法律事務所代表)

第1部 
概 略 : 

江戸時代のPOPカルチャーとして「黄表紙」という漫画出版の文化があった。現代の週刊誌などの雑誌出版ビジネスとして当時の様々な流行としての歌舞伎役者、ファッション、化粧、事件や政治などの情報を解りやすく楽しく漫画と広告などを活用している。既にこの時代、大衆メディア産業として漫画のクリエイティブ産業として、また広告ビジネスなどのマネタイズの基礎となっており専門職業としての生業も成立していた。
今日、クールジャパン戦略として世界に誇る漫画やアニメのビジネスに携る方々のジャパンアイデンティティとしてこの時代を学び、世界に現代カルチャーの歴史やその重みを語れるようになることが関係者の論理構築とともに重要なことである。そのための歴史やビジネスモデルの変遷を江戸時代の黄表紙とその時代の大衆文化を学ぶ機会として頂きたい。

≪講演内容≫
1775年(安永4年)、江戸の出版書肆(地本問屋)の草分け鱗形屋孫兵衛は武士作家・恋川春町のデビュー作『金々先生栄花夢』を出版した。これが大人のマンガ・黄表紙の誕生だった。はじめ『金々先生栄花夢』に衝撃を受け刺激されたのは大田南畝などの武士のインテリ達だった。つづいて町人の知識層が、この大人のマンガに注目した。やがて武士作家達が黄表紙の著作をはじめると、新興出版書肆の蔦屋重三郎が武士作家達を抱え、老舗の鱗形屋に取って代わるように黄表紙出版というニュービジネスに進出、大人のマンガ・黄表紙は江戸市民の間で一大ブームとなる。その大人のマンガ・黄表紙の嚆矢となった『金々先生栄花夢』から、大人のマンガの全盛となった時代(田沼意次時代)背景と経済、出版ビジネス、風俗、絵画文化を読み解く。

講師プロフィール :
棚橋 正博(たなはしまさひろ)氏  早稲田大学大学院講師
1947年秋田県生まれ。早稲田大学大学院修士修了。日本近世文学専攻。文学博士。元・帝京大学教授。 本や雑誌、テレビ、ラジオ、講演会などを通じて、知られざる江戸の風俗文化を多くの江戸ファンに伝えることを使命としている。著書は「黄表紙の研究」(若草書房)、「式亭三馬」(ペリカン社)、「十辺舎一九」(新典社)、「江戸の道楽」(講談社)、「江戸名所隅田川」「江戸戯作草紙」「教科書が載せられない名文」「捏造されたヒーロー、遠山金四郎」(小学館)、ほか多数。

【クールジャパン・イノベーション研究会概要】
平成24年1月から「クールジャパン・イノベーション」の研究会、ワークショップ、各種プロジェクトがスタートいたしました。

日本人がこれまで価値に気が付かなかったが、外国人にとっては価値のあるもの、興味や購入意欲のあるものを「クールジャパン」と呼びます。外国人が日本の製品やコンテンツ、地域の伝統や風景、食事などの文化について、日本の良さや価値を見つけてくれます。アニメやゲーム、一部地域の伝統工芸品やデジタル家電、先端技術などがその代表例となっています。

その価値は国や国民性、宗教や民族によっても価値が違ってきます。一律、同じ戦略を取ることは出来ない由縁です。また、日本人が外国製品や外国文化に興味を持つのも外国人にはわからなかったクール◎◎◎国というのもあります。こうしたことから2国間での相乗効果プロジェクトを企画しています。

【これまで開催した研究会情報】
■平成24年2月1日(水)  第1回クールジャパン・イノベーション研究会
~異分野連携によるクールジャパン戦略の活用~

世界から見るとかっこいい、可愛い日本のオリジナルな文化や製品、サービス「クールジャパン」。世界に向けたマーケティング、更なるイノベーションにより価値を高めていくクールジャパン・イノベーション研究会のキックオフ。

【プログラム】
◇クールジャパン戦略の現状
 ・ クールジャパンの意味と実情
 ・ 日本政府の戦略
 ・ クールジャパン製品、コンテンツ
◇異分野連携の意味と可能性

【プレゼンテーション】
◇「J popコンテンツの第2波世界展開」 
 スタジオハードデラックス株式会社 代表取締役社長 高橋 信之氏
◇「漫画はマザーコンテンツ ~教育を通した漫画産業の世界戦略~」
 トキワ荘プロジェクトディレクター、NPO法人NEWVERY 理事/事務局長 菊池 健 氏
◇「インドの次世代の経済動向 ~アニメ~ 」 
 株式会社ハイブリンクス 代表取締役社長 前田 融 氏
◇「クールジャパンって?」 
 作戦本部株式会社 作戦本部長 鴨志田 由貴 氏

 ファシリテータ  新産業文化創出研究所 所長 廣常 啓一

■平成24年3月2日(金)  第2回クールジャパン・イノベーション研究会
クールかどうかは外国人に聞け! ~フランス人から見たジャパン・エキスポ~

この回は、フランス人から見た日本文化をテーマに開催します。フランスで毎年、開催されている「ジャパン・エキスポ」は、2000年に第1回を開催して以来、年々、入場者数を増やしています。フランス人から見た「ジャパン・エキスポ」の魅力はどこにあるのでしょうか。作戦本部株式会社の鴨志田 由貴 氏のファシリテートで討論しました。

【プログラム】
◇クールジャパン・イノベーション研究会概要
・新産業文化創出研究所 所長 廣常 啓一
・作戦本部株式会社 作戦本部長 鴨志田 由貴 氏

◇プレゼンテーション/Q&A
・「誘致支援政策におけるCOOL JAPANの生かし方」
 社団法人日本イベント産業振興協会 越川 延明氏、似顔絵作家 田畑 伴和氏
・「Universe View」 
 株式会社イノベーションアーティスツ 矢野 浩二 氏
・「フランス人から見たジャパン・エキスポ」
 Ideal Touch CEO Jean-Marc Boyer(ボァイェ ジャンマルク)氏
・「Katsucon18レポート
 株式会社ハイブリンクス 代表取締役社長 前田 融 氏
 他

◇トークセッション
 ファシリテーター:作戦本部株式会社 作戦本部長 鴨志田 由貴 氏、
          トキワ荘プロジェクトディレクター、NPO法人NEWVERY 理事/事務局長  菊池 健 氏

■平成24年4月6日(金)第3回クールジャパン・イノベーション研究会
クールかどうかは外国人に聞け!~英国のクリエイティブ産業とクールブリタニア~

世界から見るとかっこいい、可愛い日本のオリジナルな文化や製品、サービスを世界にマーケティング、更にイノベーションにより価値を高めていくクールジャパン・イノベーション研究会。2012年2月に始動しました。
この回は、英国の「クリエイティブ産業」政策に関する研究をはじめ、芸術・文化政策に精通する三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 芸術・文化政策センターの太下義之センター長、「日本一番プロジェクト」を立ち上げた株式会社ちん里う本店 常務取締役のゾェルゲル・ニコラ氏を迎えて開催しました。

【プレゼンテーション】
・「《クール・ブリタニア》再考」
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 芸術・文化政策センター センター長 太下義之氏
 ◇参考ページ ⇒ 「クール・ブリタニア」と「クール・ブリタニカ」

・「物語のある物作り- 伝統的な作品と背景を結びつけて世界へ発信」
株式会社ちん里う本店 常務取締役 ゾェルゲル・ニコラ(Nicolas Soergel)氏
 ◇参考ページ ⇒ NIHON ICHIBAN

【パネルディスカッション】
パネリスト:太下義之氏、
      ゾェルゲル・ニコラ氏、
      鴨志田由貴 氏、
      廣常啓一(新産業文化創出研究所 所長)
ファシリテーター:菊池健氏(トキワ荘プロジェクトディレクター、NPO法人NEWVERY 理事/事務局長)

■平成24年5月22日(火)第4回クールジャパン・イノベーション研究会
クールかどうかは外国人に聞け! 国内外における日本コンテンツ市場、現状と未来予想

世界から見るとかっこいい、可愛い日本のオリジナルな文化や製品、サービスを世界にマーケティング、更にイノベーションにより価値を高めていくクールジャパン・イノベーション研究会。2012年2月に始動しました。「クールかどうかは外国人に聞け!」シリーズ第3回となるこの回は、メインスピーカーとして日本マンガ翻訳、出版の草分けである「TOKYOPOP」の創立者、スチュウ・リービー氏を迎えて開催しました。

【プログラム】
◇プレゼンテーション/Q&A
・「日本未来予想図:コンテンツ業界の役割」
 TOKYOPOP創立者 スチュウ・リー ビー(Stu Levy)氏
・「ホントはやばい、J-POPコンテンツ! 輸出が減速しているホントの理由」
 スタジオ・ハードデラックス株式会社 CEO 高橋 信之氏
 トキワ荘プロジェクトディレクター、NPO法人NEWVERY 理事/事務局長 菊池 健 氏

◇パネルディスカッション
パネリスト:スチュウ・リー ビー 氏、
高橋 信之氏、

鴨志田由貴 氏(作戦本部株式会社 作戦本部長)、他

ファシリテーター: 菊池 健 氏

●スチュウ・リー ビー氏プロフィール
国際的に活躍する起業家。

世界に日本のマンガ文化を広めた、株式会社TOKYOPOPの創始者であり、代表取締役。コミックス、映画、テレビ番組のプロデュースや監督、執筆などの活動に従事。UCLA大学の経済修士号及びジョージタウン大学法律センターの博士号を取得後、日本に渡り、東京大学、慶応大学で学ぶ。

ニュー・メディア・カウンシルの取締役を経て、現在、プロデューサーズ・ギルド・アメリカ(PGA)の国際委員会会長を務めている。また、カリフォルニア州の弁護士でもある。

TOKYOPOPでは、日本のマンガ文化をいち早く北アメリカの若者文化に紹介し、大きな影響を及ぼした。また出版界にも、新しい急成長市場を開拓し、旋風を巻き起こした。「セーラームーン」「ガンダム」「デスノート」「フルーツバスケット」を含む2000作品以上の日本の人気マンガを北アメリカおよびヨーロッパで出版した。

プロデューサーとしては日本の人気アニメ(「頭文字D」「RAVE」「GTO」)をアメリカのテレビやDVDにプロデュース。また実写のハリウッド映画「プリースト」でもプロデューサーを務めた。
また、クリエイティブにおいては脚本や小説、マンガ(「プリンセス・アイ物語」)の原作の執筆から映画(ドキュメンタリー映画「Pray for Japan ~心を一つに~」、長編映画「ヴァン・ヴォン・ハンター」)、テレビ番組(全8回のバラエティ番組「America’s Greatest Otaku」)の監督、そして音楽の作曲、プロデュースなども行っている。

○クールジャパン・イノベーション研究会Facebookページ ⇒ http://www.facebook.com/cooljpn