◆10/21日プログラム
●事業説明 新産業文化創出研究所 廣常啓一
・多様な未利用木材(間伐材、製材木材加工時の廃棄物、農業や公園樹木の剪定枝ほか)のチップ、
ペレット化と活用事業について
・燻製技術と燻製商品(スモークチップ(ウッド)製品から燻製調理機器や食器、地域の農畜水産や
食品などの食材の付加価値化と6次産業化、お土産づくり等)について
・燻製技術や燻製食材食品を活用した体験施設(スモークチップブレンドや燻製料理の教室、
マリアージュ体験、レストラン、キャンプ、観光施設)について
・燻製ラボ(地域拠点施設)について
●地域での事業者からのコメント
・絆さくらの会 小黒敬三様 (浪江町)
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◆概要
●林業、農業、造園業等の課題と6次産業化
地方の中心的産業である一次産業の課題は幅広く、それぞれの地域や業界に共通の課題や解決策を考えることは重要である。1次産業に共通する生産物の付加価値化、その方法となる6次産業化の機能を地域に創出するなどもその方法となります。
これまでも農林水産省や地方都市が力を入れてきた農産物や畜産水産物、木材の付加価値化は、当然のこと、あまり注目されなかった未利用材や1次産業廃棄物の活用があげられます。
例えば林業では、特に自然保護との観点から間伐材や製材過程で出るチップやおがくず、廃棄や焼却が課題となっている農業や園芸樹の剪定枝などのチップ等の付加価値化をニッチな6次産業化として異分野の業種の人たちと共創すること、その知の拠点を形成することを考えてみます。
●木材チップ、木質ペレット市場
令和4年の国内における木材チップの生産量は、528万トンで前年比13%減となっています。紙需要の減少と海外からの安いチップの輸入により、木材チップの生産量と工場数は減少傾向となっています。
しかし、令和4年の国内における木質ペレットの生産量は、15.8万トンで前年比1.4%増であり、生産量が増加した要因としては、ペレットボイラー利用施設の導入による需要増等が考えられます。生産施設数はR2年からほぼ横ばいで推移し、原料の内訳は、丸太・林地残材(49%)、製材工場等残材(35%)が主となっています。令和4年の国内の木質ペレットの生産量は平成24年の1.6倍となっているが、自給率は57.7%から3.5%と大幅に下落しています。
また、最近では、代替プラスチックやバイオ燃料のため改質リグニンやセルロースなどの生産事業化も国内でスタートすることから、ますます木材チップやペレットの重要は拡大していくことでしょう。
●木材チップ、木質ペレットの課題と可能性
しかし、大量に活用するチップやペレットは、同種の木材、同DNAの木材などを揃える必要があります。多様な木材を利用する製材所や建築や家具等の木材背製品の廃材、また果樹などの農業剪定枝や公園や街路樹の剪定枝など、品質の違いう木材の組合せ市場は有りませんでした。
●燻製市場
様々な種類の木材チップやペレット、ウッドを使用することで成立する市場として燻製市場や消臭市場があります。燻製は多様な木材の組合せ、つまりブレンド化による、新たな薫香を楽しむ材料として大化けするものとICICでは考えています。
スモークチップやスモークウッドは燻製市場の一部として、世界市場規模は2024年は8120万米ドル(約120億円)、2033年には1億2950万米ドル(約194億円)に成長すると予測されています。
消費者の食や健康へのこだわりから、天然の風味付けとして関心が高まっています。伝統的な「鰹節」や「いぶりがっこ」「スモークサーモン」のほか、「燻製みそ」や「燻製クラフトビール」など新たな商品開発も始まっています。
地域の木材と農畜水産物や加工食品の組合せによる、6次産業化事業や、燻製食品とのワインや日本酒のマリアージュ、アウトドアのレジャーなど、新たな文化の創出も考えていきます。
●燻製ラボ(オープンイノベーション)と地域共創・実装(リビングラボ)について
燻製に関する研究者や事業者、林業や木材関係から食品や飲食関係など多様な主体が共創できるオープンイノベーションのプラットフォームを「燻製ラボ」とします。
様々なチップや食材などの材料や研究や調理設備を集め、生活の場で実証や共創を行うリビングラボ地域を選定しマッチングさせます。
様々な樹種を国内外から燻製ラボに集めることも必要となります。そのため林業による木材チップや農業剪定枝と多様な食材が集まる「燻製ラボ」を全国複数個所に設置し、各拠点がネットワークできる地域間連携も想定しています。
●JR浪江駅西側まちづくりでの地域共創活動
地域共創や実証、実装などのリビングラボ地域の一つとして、福島県浪江町でワーキングを立ち上げます。浪江町ではJRの浪江駅西側地区でも整備計画が始まり、地域資源を活用し、地域内外の共創による産業創出やまちづくりを行う「浪江駅西側地区共創会議」とその部会である「コミュニティ部会」と「基盤整備部会」が立ち上がりました。
第1回コミュニティ部会(7月17日開催)では、地域の皆様から計画地域での実装に結び付く様々な地域課題やアイデアなどの提案が発表されました。
●桜の剪定枝の活用から始める地域再生
地域課題やアイデア発表の一つが、浪江町の請戸川沿いに咲く桜で地域再生しようと立ち上がった、「絆さくらの会」です。桜の剪定に関しては、弘前大学などとの共創が進んでいます。しかし、剪定枝の処分や活動費の捻出など、まだまだ共創すべき課題が多く、「絆さくらの会」からは、剪定枝を乾燥チップ化し燻製食品を作ることで関係者を増やし、駅西側には燻製ラボや関連の工房、レストラン、お土産屋さんなどの店舗立地に結び付けていきたいとの想いを共有することができました。
●福島県浪江町の地域リソースの活用
地域実証や実装先の一つとして、国内最大の高度集成材製造センターや世界最大級の水素製造拠点がある福島県浪江町では、各施設から出るチップやペレットと地域の桜の木の剪定枝や農業剪定枝も含めた組み合わせや、適合食材の研究から共創を「燻製ラボ」としてスタートすることを進めています。
●11月5日に共創ワーキングを開始
「多様な未利用木材活用の燻製技術による6次産業化と地域実装の共創ワーキング」、略して「燻製ラボワーキング(仮称)」を企画しました。
10月21日には、このプロジェクトのオンラインによる説明会を行います。
第2回コミュニティ部会(11月5日開催)では、このテーマを事業シナリオ化し、共創するために異分野の皆さんとの共創ワーキンググループの立ち上げをスタートします。
●共創ワーキングの進め方
共創ワーキングでは、課題提供や地域資源提供、事業アイデア提供や技術提供、プロジェクト支援、実施主体や経営などの参加する立場(ポジション)の明確化、ワーキンググループ(WG)に於いて貢献できるアイデアや技術、役務や熱意などのリソースなど情報交換を行います。
WGでは専門分野やプロジェクトの違いに応じた複数のチームを構成し、チームビルディング、不足リソースとのマッチング、プロジェクト組成、実証事業、事業化、社会実装、他(多)地域展開、事業拡充へと進めていくことも予定しています。
●共創ワーキングで生まれる成果
共創WGでは、当初は、闊達な意見交換や交流から紳士的にスタートしますが、技術やアイデア、事業モデルなどの知財の取り扱いや成果に関しての活用方法や活用主体、NDAなどの手続きなどは進展していく段階でチームやプロジェクトごとにルールを決めていきます。
リビングラボとしての実証地域、実装地域は、先ずは、浪江町と浪江駅西側のまちづくりや拠点づくりに反映させますが、他地域での検討や他地域への拡大展開などを排除するものではありません。
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◆10/21日の説明会当日の全プログラム
地域の埋もれた経営資源を活用した事業創出とまちづくりの共創活動説明会【10/21】
地域の埋もれた経営資源を活用した事業創出とまちづくりの共創活動として、「未利用木材活用の燻製技術による6次産業化(燻製ラボ)」と「解体建物のリサイクル事業と思い出の景観形成」の共創ワーキングについての説明と、技術や事業の地域実装候補としての、福島県浪江町で行われる「浪江駅西側地区まちづくり共創会議コミュニティ部会、共創ワーキング説明会」の説明会の3部制となります。
第1部から第3部まで、同じ、オンラインのアドレスで続けて行いますので、どの部を申し込まれても全て参加することも可能です。
◆オンラインZOOMミーティング利用
下記の第1部から第3部の申し込みフォームに記載いただき申込み頂いた方に、事務局よりZOOMミーティングのURLを送付させていただきます。希望の説明会のお時間になりましたらお入りください。第1部から第3部の各回ごとに質疑の時間も設けています。
■第1部 16:00~16:30「多様な未利用木材活用の燻製技術による6次産業化事業(燻製ラボ)と地域実装」について
◆第1部の詳細・申込は
https://icic.jp/seminar/event15724/
■第2部 16:30~17:00「解体建物の建材や家具、食器、衣類などのリサイクル事業と思い出の地域景観形成の共創活動」について
◆第2部の詳細・申込は
https://icic.jp/seminar/event15728/
■第3部 17:00~17:30「浪江駅西側地区共創会議」について
◆第3部の詳細・申込は
https://icic.jp/seminar/event15740/
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◆11月5日に浪江町で開催のコミュニティ部会「燻製ラボWG」について
◆詳細・申込は https://www.town.namie.fukushima.jp/site/events/41144.html