ドクターズキッチンのサービスモデルの一つは、診療報酬制度の改訂により、病院給食が治療食と一般食とに分離されます。一般食が有償となります。有償だと病院でも患者が注文することになります。病院も外食産業と同様になるのです。
逆に、治療食は通院患者にも適応されることとなり食事の処方箋により治療食を販売する調剤薬局や食品スーパー、お惣菜屋やレストランで診療報酬制度により受け取る事ができます。病院給食も在宅患者に配食されるため、病院もフードサービス産業と同様のホスピタリティが要求される様になります。美味しくない有償の食事を患者は注文しなくなります。
こうした課題を解決しプラスとするビジネスモデルがドクターズキッチンです。
1.ドクターズキッチンとは?
食を通じた健康管理から予防医学で、科学的根拠に基づく食事(薬膳、食事療法、治療食、改善食、介護福祉食、健康食、機能食、食育まで)を個人の健康状態 に応じて指導、または幅広いサービスを提供する全体総称をドクターズキッチンと名付けました。特に医療機関や医師の介在を通して、食事箋などの個人向け食 事指導方法をシステム化し、個人の健康医療データ(パーソナルヘルスレコード)などによる効率的な食事供給を地域などの社会インフラとして整備するものです。
医食同源、アーユルベーダなど食と医療、また健康は古くから一体化されたものです。これまでの食と身体の関係だけでなく、食材の効能や栄養、調理方法からそれぞれの個人に合わせた健康管理方法としての各人の健康データにあわせた食の指導やサービスなどがあげられます。
先端的な技術がこれまでの食と身体の関係を個人の食事履歴と健康データとあわせたパーソナルヘルスケアとしてのシステムを形成することを可能としました。また、安全な食材、機能の高い食材開発から流通、生産から小売や家庭までのトータル的なビジネスモデルも拡張していくこととなります。
各国の医療の始まり
中医学(中国伝統医学)と薬膳
インド・アーユルヴェーダは、世界最古の総合的健康医療体系
※ 下記は 韓国TVドラマ「チャングムの誓い」 (NHKにて放映)
これまで、身体に良い料理は美味しいとはいえない、病院食はまずいなどといわれたように、「美味しいと身体に良いが相容れないもの」でなく、「美味しく、身体に良い」を目指します。
更に、食と身体に対して基本的な知識、自分や家族にとっての正しい食の知識の理解など食育からロハスなライフスタイルや食の時間や空間の楽しみなど食を取り巻く環境なども領域に含めます。
展開分野としては、健康保険組合などによる特定検診と食事・栄養指導と従業員食堂などの個人対応食の実現、機能性食のメニュー拡大の他、病院食や介護食を 食事の処方箋(食事箋)に基づき、入院、通院、在宅に限らず提供できるシステム、提供方法としての外食や中食、食品小売などの流通ルートの整備を含め、健 康管理のための食事指導システムなどを地域の医療健康サービスとして実施するなど、幅広い展開が考えられます。
特に、診療報酬制度の改定(病院食の有償化や通院や在宅の治療食の提供)などが、病院給食の方向性を変える機会となることより、つくばセンタービルでの展開は、こうした次の時代の流れも考慮した、店舗作りとして位置付けます。
関係する産業界としては、医療健康福祉サービス産業、健康機器健康測定機器産業、農水畜産業、食品(健康食品)産業、医薬品産業、食品機械・調理機器・厨房機器産業、外食・中食・給食等フードサービス産業、運輸業界、IT業界、教育業界などと幅が広いです。
2.ドクターズレストランとは
ドクターズキッチン構想とは個人の団体、地域の食による医療健康管理のための生活インフラとしてのシステム全般を総称し、医師や医療健康機関等との連動によるメニュー開発や食事の処方箋システムによる配食などのサービスを行ないます。
ドクターズレストランとは、そうした事業の仕組みの中で配食される外食レストランなどのフードサービス事業を指します。医師の監修によるサービスから健康 美容等の食事を味わえるサービスまで幅広く捕らえています。レストラン形態としては外食サービスの他、惣菜等の中食や在宅等へのデリバリー、料理教室など の併催や関連食材の販売等も含まれます。